アトリエ・アリスワン

フリーランスライター・ディレクターの竹内ありすです。

膨大コーヒータイム

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こんにちは、ありすぅです。

 

先日友人と、「地元におしゃれなカフェが増えたよね」という話になりました。

 

気軽に立ち寄れるコーヒースタンドから、車を使わないとたどり着けない秘境のカフェ、一見すると一軒家の隠れ家的な喫茶店まで、地域のカフェ情報は本当に尽きないなぁ〜と思います。

 

私は、周りにちょっと引かれるんじゃないかというくらいカフェや喫茶店が大好きです。

 

けしてコーヒー豆とか茶葉に詳しいわけではありません。とにかくカフェや喫茶店に流れる空気感が好きで、長い時間身を置いていたいのです。

 

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もちろん家族や友人と一緒にあちこちをめぐる時間も好きなのですが、1人で過ごすことが多いです。

 

学生の頃のお小遣いやバイト代をどう使ったのか振り返ると、カフェ・喫茶店代が圧倒的に多かったような気もしています……

 

そして、膨大な時間をカフェ・喫茶店に費やしてきたからこそ、今の私がいるんだろうなと思っています。

 

一体いくら使ってきたのかを考えると恐ろしくなりますが、みな、思い出と思考の時間を育ててくれた大事な経験たち。後悔はしていません。

 

今回は、そんなカフェ・喫茶店(ときどきおうちカフェ・茶房)とともに歩んだ歴史を振り返ってみます。

 

 

■2008年、スタバとの邂逅

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中学1年生でした。

 

小学校高学年のころからとにかく中学生向けのファッション雑誌を読むことが好きで、お小遣い=雑誌代、余りは友達と遊びに行くための資金。

 

1年ごとを目安に読む雑誌も変えていたのですが、ある日、ある特集が目にとまってしまいました。

 

それがなんと、スタバの特集!

 

ページをめくると、読者モデルたちを中心にスタバのカップを持った女子たちがたくさん載っているんです。「抹茶フラペチーノ」「キャラメルマキアート」「カフェモカ」などなど……

 

なんだこれ、友人と遊びに行った先のアピタで、マックに行って飲むカップ爽健美茶とは全然違う!

 

13歳の私はキラキラした誌面に衝撃を受けてしまいました。そう、これがスタバとの出会いです。

 

それまでも、確か家族がスタバのタンブラーを持っていたのですが、中身はいつもコーヒー。スタバは私の中で、「コーヒーしか売っていない店」という認識でした。それが、クリームがのっている楽しげな名前のついたドリンクメニューがたくさんあるお店だったなんて!!

 

夏休みになり、友人を誘って早速スタバに行きました。(お店がどこにあるかは、リサーチ済み)

 

選んだのはバニラクリームフラペチーノ。友人はマンゴーパッションティーフラペチーノ(当時のメニュー名もこれだったかな?)でした。思い出深すぎてまだ覚えています。

 

 

クリームとバニラシロップが甘々だったし、ちびちびと大事に飲むあまり最後の方は水っぽかったけど、憧れのスタバに来られたことが嬉しくて。

 

ちなみに夏休みの宿題が多く終わる気がしなかったので、数学のワークも持ち込んで取り組んだ記憶もあります。今でいう「カフェ勉」ですね。私も友人も数学が苦手で、甘いドリンクで頭を働かせても全然進まなかったです。

 

今振り返ってみると、けして中学生のお小遣いで買うには高価なスタバの特集を、なぜあの雑誌で組んだのだろう?と疑問に思いますが、衝撃的な出会いをプレゼントしてくれてありがとうって思っています。

 

おかげで私はカフェが素敵な場所であるということも、(長居を歓迎してくれる場所であれば)勉強をして過ごすのが楽しいということも、覚えてしまったのです。

 

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ちなみにこちらは、スタバで撮った写真で私が持っている中で最古の一枚です。(2010年、ガラケー時代なのでサイズが小さすぎる!)

 

 

■2012年、クリスマスイブイブイブinドトール

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高校生になると部活に心血を注ぎ、家で机に向かう時間が少なくなり、図書館やフリースペースで勉強するようになりました。テスト前など気合を入れたい日は、最寄りのスタバに行くことも。友人と遊ぶときの過ごし方は、カフェに寄っておしゃべりするのがお気に入り。

 

2年生、17歳のある秋の日に先生から呼び出され、特に心当たりはないのに「もしかしたら説教かもしれない」とドキドキしたことがありました。

 

蓋を開けてみると、新聞の記事を書いてほしいという依頼です。

 

私が所属していた放送部に、地元の新聞社から高校生目線で企業への取材をしてほしいというお願いがあったということで、喜んで引き受けました。

 

取材日、訪れた担当者が、10代の私たちのこれからに活きるような話題をたくさん織り交ぜながら、親切に話してくれたのを覚えています。

 

さて、取材から帰ってきてびっくり。その取材記事を提出してほしいという締め切りはなんと12月25日、クリスマスの日だったのです!

 

私が原稿を書くことになり、期末テストもそこそこに、初めての原稿執筆作業が始まりました。……家で書いても全然はかどらない!!

 

そこで思い出したのが、カフェの存在です。

 

ドトールに行き、カフェラテとクリスマスシーズン限定のミラノサンドを頼み、17歳のクリスマスシーズンをそこで過ごしました。

 

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部員のみんなから集めた取材メモを並び替えて構成し、言い回しを揃え、文字数を気にし…… 屋内にいるのにすっかり体は冷え切ってしまったけれど、原稿が仕上がったときの達成感は忘れられないです。

 

今でも新聞に掲載された記事は捨てずに実家に残してありますが、見直してまず思い出すのは取材先での会話ではなく、ドトールでの苦しくも楽しかったあの執筆の時間なんですよね。

 

社会人になって番組制作の仕事をすることになったのも、あの経験があったからこそだったのかもしれません。

 

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写真の文字入れアプリを手にした2012年。ロゴを真似して遊んでます!!

 

■2014年、学校に行けなくてもタリーズ

 

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大学1年生になりました。

 

大学に行くには自転車や電車への乗り換えが必要になり、なかなか時間がかかって大変でした。

 

入学して2か月、毎日そこそこ楽しく授業を受けていたのですが、ちょっと傷つくことがあって、どうしても学校に足が向かなくなってしまった日がありました。

 

その日も私はいつものように駅に向かい、大学の方向へ向かう電車に乗ろうとしたのですが、駐輪場で足が止まってしまったのです。

 

「行きたくない……」

 

今まで、体調不良の時以外は授業を休んだことがありませんでした。今「サボる」という選択肢をとったら、もう戻れなくなるんじゃないか?

 

しばらくその場で葛藤したのち、「これはの体調不良かもしれない」という考えに。とりあえず駅にあったタリーズに移動して、飲み物を注文することにしました。

 

梅雨の時期、束の間の青空が見えた日でした。気温も上がってきていたので、冷たい飲み物を頼んだことを覚えています。

 

ジャズの流れる静かな店内に身を置きながら、ゆっくりと飲み物を飲んでいると、ちょっと気持ちが落ち着いてきました。

 

出席するはずだった授業が始まるまでには、まだ時間があります。

 

クラスメイトの1人に、「今日は欠席します」とLINEを送る余裕も生まれました。 LINEを送ってしまうと、胸のつかえが取れたようになったのです。

 

このタリーズには高校を卒業する前、友人に志望校のことを話したり、恋バナをしたりと、いろんな思い出が詰まっていました。遠くから制服を着た当時の私たちの笑い声が、残響となって聞こえてくるような気さえするのです。

 

もちろん、勉強をしに訪れたこともあります。東日本大震災の直後、自粛ムードでガランとした街が怖くて、ココアラテを飲んで癒されに来たこともありました。

 

いろんな日々を乗り越えて大学生になれたのに、ちょっと嫌なことがあったくらいで行けなくなっちゃっていいの?

 

LINEを送り終わり、スリープモードになっていたスマホの画面に、私の不安げな顔がうつっていました。

 

ーーそんなのもったいないよね。

 

ストローを傾けて残っていた飲み物を一気飲みしたら、ちょっと力が湧いてきました。

 

LINEをもう一度立ち上げて、「午後の授業には出るからね!」と同じ友人に送信。先に宣言しておくというスタイルです。

 

4年後には、無事に大学を卒業。つらくなったあの日、無言で受け止めてくれるタリーズの空間とそこで過ごした時間があったから、自分の進むべき方向性を見直せたのだと思います。

 

大学生時代はとにかく外にいる時間が長かったので、予定と予定の間にはカフェに寄って課題をしたり、ブログを書いたり本を読んだり、考えごとをしたり、就活の準備をする機会が多かったですね。

 

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2017年、履歴書を書こうとする日もあったようです。

 

カフェチェーンに飽き足らず、老舗の喫茶店をめぐるのにもはまっていました。今でももちろん好きです。

 

 

■2020年、永遠なる茶房

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社会人3年目です。

 

実家にいたころから大切にしていた習慣が、食後のお茶タイムです。

 

母が紅茶好きで、家には数種類のお茶がいつもありました。母が愛用しているマグカップの底にはいつも茶渋が。

 

私も中学2年生から突然紅茶が飲めるようになり、朝の牛乳は紅茶に代わりました。

 

夕食を終えると、その日の気分でお茶を選んで母に淹れてもらって飲むのです。一口飲むとすぐに注ぎ足されるので、なかなか終わらないお茶タイム。勉強したり雑誌を読んだり、スマホをいじったり、おしゃべりしたり。あまりにもお茶が多いので、眠る直前に口にするのもお茶でした。

 

社会人2年目の秋に実家を出て、1人暮らしを始めました。

 

1人でもお茶タイムは続けるだろうと思ったのでしょう、母からの仕送りにはやっぱりお茶が。

 

でも1人で過ごす夜に、お茶を淹れるのは思ったよりも億劫でした。キッチンに置いた籠には、お茶が増えていきます。

 

一方、私が1人暮らしを始める前から憧れていたのが、「人をもてなす」ということでした。

 

友人が遊びに来たら、マグカップティーポットを出してきてお茶タイムを開催!スイーツと一緒に、好きなお茶を選んでもらっておしゃべりしながら飲みます。

 

まるでカフェのように、飲むものにも選択肢があるということで、友人が私の1人暮らしの住処につけた名前は「ありす茶房」

 

2020年、コロナ禍に差しかかると、我が茶房はますます特別な空間になりました。

 

外食がしにくい時勢だったからこそ、茶房であったかい紅茶を飲んで深呼吸して、ちょっとゆっくりしていってもらえるのが楽しかったですね。

 

茶房の場所は変わりましたが、今でも人をもてなすときに需要を発揮しています。

 

 

■まとめー膨大コーヒータイム

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今回、こんなに長くなるとは思わずに書き始めてしまいました。

 

そして書ききれないほど、私にはコーヒータイムにまつわるエピソードが膨大であるということに気づいてしまいました。10代という多感な時期から現在のアラサーに至るまで、いろいろな思い出がカフェ・喫茶とともにあるようです。

 

ちなみに、初めて一緒にフラペチーノを飲んだ友人とは、いまだに月に1回くらいはスタバに行っておしゃべりしていますよ。